まず、絵が美しく緻密、そして品があります。

しかし力強さもあり読んでいて疲れません。

テンポの良さと内面描写の繊細さが両立していて一気に引き込まれます。


どの場面も印象深いですが、第一話の冒頭に心をわしづかみにされました。

一国の長となる方はこれだけ心が座っているのだ、と。

学生時代の場面に、自分の立場(ゆくゆくは天皇)を自覚する場面があります。


第一話冒頭での発言はこの学生時代の自覚からつながっているんだ、と気付くと胸が熱くなり、裕仁親王がどの様にように国家を背負う度量を広げていくのか見守っていきたい気持ちになります。


裕仁親王が天皇への道を進んでいくのと対比して、天皇家を取り巻く海千山千の大人たちの思惑が彼の周囲に漂っています。

そんな思惑に飲み込まれずに自分の意思をぶれずに主張できる裕仁親王に驚きとうらやましさを持ってしまいます。


今はまだ摂政になる前の青年時代の話。

まだまだ裕仁親王の一生は永いのでどこまで物語が続くかわからないけど、私は最後まで読み続けるし、自信を持ってお勧めできます。